(マリオデAny%RTA)史上初!57分の壁を破ったTyron氏を凄さを語る

2022年5月27日。スーパーマリオ オデッセイAny%RTAにて、57分の壁が破られた。

タイムは56:55、プレイヤーはTyron18氏。

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半年間56分台狙い続け、苦難の末ついに達成された56分台。

2022年1月では世界記録が57分21秒。このわずか21秒の為に半年間の時を要したTyron氏はどんなプレイヤーなのか?この半年間何があったのか?

について語っていく。

Tyron氏の経歴

イタリア人プレイヤー。現在23歳。

2017年11月に始めた古参プレイヤーで、累計プレイ時間は9000時間。

2019年まではこれといった成果を出せていなかったが、2019年3月にAny%でTop10に入り、注目を浴びた。

2019年10月13日に史上初の59切りを達成し、そこから長い間Mitch氏と世界争いを続けたのち、58分切りはMitch氏に先を越されてしまったが、57分切りは達成し、現在に至る。

Tyron氏は理論値、安定感、忍耐力、全てに置いて極めて高水準な最強プレイヤー

オデッセイで世界記録を取ってきたプレイヤーにはそれぞれ特徴があった。

史上初の1時間1分切りを達成したChaos氏は、理論値は遅かったが、非常に安定度が高った。

史上初の1時間切りを達成したNicro氏は、オールラウンダー。

史上初58分切りを達成したMitch氏は、理論値が極めて高く、安定度も高かったが、忍耐力に少し問題があり、「もうオデッセイやりたくない」などの弱音を吐く事もあった。

しかし、Tyron氏は全て置いて極めて高水準である。その複数の証拠を持ってきたので、軽く紹介しておこう。

多くの区間の世界記録保持者(理論値)

Tyron氏の強みの一つ『細かい部分も攻める”理論値型”』

0.1秒早くなるアプローチも見逃さず取り入れ、それを安定化される基礎動作力を持つ。

その早さは数字としても現れており、各区間の世界記録を集積してる「SMO Community SoB 」を見ると、Tyron氏の名前がいくつも目に入るだろう。

この事からもTyron氏の理論値が早い事が分かるだろう。

名前が記載されてる列は、各区間の世界記録保持者。

一発通しで自己べ+22秒出す安定感

このツイートを見てわかる通り、リレーで57:35というタイムを出している。

当時のTyron氏の世界記録は57:13なので、自己べ+22秒を''リセット無し''で走ったという事になる。

どれだけ凄い安定感なのかは、言うまでもないだろう。

半年間記録狙いをする忍耐力

半年間、休まず記録狙いするという事がまず凄いのだが、それ以上に、他のゲームをほとんど触っていないという事実が凄い。

どうしても楽しいゲームに行ってしまうのが人間。

RTAが少しでも飽きている時に、面白そうな新作ゲームが出たらそっちをやるのが普通だが、この半年間、ゲームはほぼオデッセイしかやってなかったようだ。

このストイック過ぎるのか、はたまた心からオデッセイを楽しんでるのか、いずれにせよ、真似しようとしても真似出来ない所業だろう。

2022年1月時点で既に記録はほぼ頭打ちだった!?

2021年最後の出した記録は、2021年11月25日の57分21分だった。この時の自己理論値(sob)は56分37秒だった。そしてこの記録の7か月後に出した、56分55秒の自己理論値は56分24秒と、7か月経ったにも関わらず、13秒しか早くなっている点から、既に記録はもちろん、理論値までも頭打ちの状態だった。

↑が57分21秒の時のsob。↓が56分55秒の時のsob。

しかも、13秒中7秒は、2022年4月に見つかった「新バグ」による恩恵なので、基礎動作やアプリーチのみで早くなったのは、7か月で6秒のみという頭打ちっぷりである。

ここで、57分切り達成に大きく貢献した、「新バグ技」ついて軽く説明しよう。

砂の国の新バグ技、Platform Clip

2022年4月27日に見つかったバグ技。最大7秒の短縮になる。

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こちらの動画のバグ技がPlatform Clipである。

Tyron氏がいよいよ57切りが見えてきたタイミングで見つかったバグ技。このバグ技がなかったら、57分切りが更に困難だっただろう。

このバグ技の最大の魅力は、7秒短縮の割には簡単だという事。

抜ける猶予は12Fほどあり、抜けるだけなら誰でも出来るほど簡単である。

RTAではどちらかと言えば、抜ける為に使う動く足場の周期のが厄介で、ミスが許されない状況になるが、どの道遅かったらリセットするので、上位プレイヤーには余り関係ない要素である。

57分切りを達成した最大の要因はモチベと忍耐力!

Tyron氏は極めて高い理論値と安定感持っているが、それだけなら他にも1人いた。

Mitch氏だ

彼はずっとTyron氏と世界記録争いを繰り広げていたが、2021年下旬に辞めてしまい、オデッセイコミュニティから去ってしまった。

彼も続けていれば57分切りを達成していると言われていたほど、当時の彼のプレイは非常にレベルが高かった。

しかし彼には弱点があり、飽き性であった。

当時からモチベに難点があり、数週間休んで、数週間戻ってきて世界記録を出すというサイクルを繰り返していた。それでも世界を取れてたという事実は凄いが。

そして現在は完全に飽きてしまい、オデッセイをやってる様子が無い。

Tyron氏は当時からモチベがあり、高頻度にオデッセイをプレイする事で、着々とMitch氏に差をつけた。

そしてその高い忍耐力で半年間記録狙いをして、57分切りを達成した。

Tyron氏は「モチベと忍耐力があれば周りが勝手に辞めていって最終的に頂点を取れる」という言葉を体感した人物になる。

勿論これを実践出来たのは、高い実力を持っているからであるが。

余談 56切りの可能性はある?

結論から言うと「とんでもない技が見つからない限り」無い

分単位の大台突破にかかった期間をまとめてみると、

1時間切り  2019年3月24日

59分切り   2019年10月13日

58分切り   2020年7月27日

57分切り   2022年5月27日

6か月→9か月と来て、急に2倍以上の''22か月''もかかっている事が分かるだろう。

Tyron氏や他の有望プレイヤーやり続ける前提で、自分は56分切りは10年以上必ずかかると予想する。

その根拠として、現在Any%で見つかってるバグ技が1Fや、ほぼピクセルパーフェクトに近いしかない事。

先ほど紹介したSMO Community Sobの全ての区間合計タイムですら、Totalで56:02である。

勿論1F技を使って通した区間タイムなので、RTAで使用するのは困難を極める。

現実的な話、10年後もこのゲームに時間割くはずがないので、そこら辺も含めて、56分切りの可能性は極めて0%に近いだろう。

余談2 27日の一致

58分切りが達成した日は2020年7月27日。

57分切りが達成した日は2022年5月27日。

という奇妙27日の一致をしている。

しかも、57分切りに大きく貢献したバグ技、Platfrom Clipが見つかった日は2022年4月27日。

そして、スーパーマリオオデッセイが発売した日にちは2017年10月27日。

オカルト的なストーリー作れそうな勢いである。

終わりに

Tyron氏自身の凄さを語ると共に、オデッセイAny%RTAの近況を紹介した。

Tyron氏は史上初の59分切りを達成したが、58分切りはMitch氏に先越されてしまってかなり悔しい思いをしたという。この背景を知ってると、57切り達成した時のリアクションも更に、感銘深く見えるだろう。

現在はTyron氏はAny%RTAを辞め、Darker Sideで3時間切りを目指している。

興味がある方は彼のTwitchチャンネルをフォローする事をオススメする。

Tyron18 - Twitch

また、この記事でよく名前が出るMitch氏が、史上初の58分切りを達成した記事がリアルタイムで書かれていた。こちらもかなり面白い記事なので、興味ある方こちらも見る事オススメする。

【マリオオデッセイ】史上初! 14歳の理論値型プレイヤーが58分の壁を破る! | RTAGamers